仏壇とは仏教を信仰する人が持つものです。現代ではどの宗教にも属さない無宗派の方が日本には多くなってまいりました。ではその人たちは亡くなった家族を仏壇無くしてどのように供養されているのでしょうか?今回はその件についてお話を伺ってきましたので記事にしてみました。
仏教と仏壇
幼き頃、我が家にはどこの家庭にも仏壇というものがあり、祖母祖父・父母が仏壇の前に座り、日々手を合わせていた。幼かった私達はそれをみて、いつの間にか見様見真似でやっていた。という記憶がある方は多分いると思います。でもその記憶を元に成長した今現在、仏壇とは亡くなった人(先祖)に手を合わせるという意味で理解している人が多いのではないでしょうか!
「我が家は仏教徒であり、宗派は曹洞宗で、本尊はお釈迦様で、曹洞宗の教えは・・・・」などと、学校の授業なみに永遠と熱心に我が家の宗派について教えてくれた家族がいるという方はそれ程多くないと思います。
そもそも仏壇の始まりは、お寺に毎日行かずとも自分が信仰する宗教に対して日々祈る事ができるように、という事を目的として作られ、日本全土に普及していったものなのです。それがいつの日か亡くなった人の位牌も置かれるようになり、最後には仏壇とは亡くなった人の魂が眠る場所という考えになってしまったのであります。ちゃんと仏壇の本当の意味を教えてくれた家族がいるご家庭もあれば、私のように「亡くなったじいちゃんとばあちゃんに向けて手を合わせる場所」として理解してしまった人もいます。その様に理解して大人へと育った子供は正直仏教に興味を持ちません。ただ「今まで家族(先祖代々)がしてきた事をやり続けるべきなのか?それとも自分の代で新しい別の供養方法を求めるのか?」をひたすら考え悩み続けるのです。
新しい別の方法とは
いざ身内の誰かが亡くなると、分からないことだらけですので、プロの葬祭業者に連絡をし色々とお手伝いして頂きます。その中で近年変わりつつあるのが埋葬方法です。一昔前では火葬した遺骨を寺院のお墓に収めるという形でしたが、今はいくつかの選択肢があり葬祭業者によっては選択する事が可能となっています。
- 寺院のお墓に納骨する。
- 市営などの霊園に納骨する。
- 連絡樹木葬にする。
- 海などに散骨する。
上記の❶を選択した場合、住職にお願いしお経を唱えてもらい亡くなった人に戒名を付けて頂きますが、それ以外の❷❸❹を選択すると無宗派でも無事に納骨する事が可能となります。
※❷の霊園にある全ての墓所が無宗派ではありません。
❷❸❹の方法で無宗派でも無事に納骨が終わりひと段落ですが、実際によくよく考えてみると、亡くなった身内は墓地に!亡くなった身内は海に!なんだかとても遠くに行ってしまった気分でいっぱいになります。仏教であれば家庭には仏壇があり、とても身近に故人を感じられますが、残念ながら無宗派にはそれがありません。無宗派でも仏壇を故人を祀る為だけに使おうと思い購入したとしても、亡くなった人の魂を位牌に入れ込む開眼供養を無宗派では行う事ができない為、単なる木の札に手を合わせるだけの虚しさを感じる事でしょう。❸❹を選択した人では、全ての遺骨を埋葬・散骨せずに一部だけ分骨し手元に置いておくという方法も可能です。でもその分骨してもらった遺骨を持ち帰ってきて家でどうしたら良いのでしょうかね?
新しい供養方法とは
実際に無宗派で葬儀を行ってみた人から色々とお聞きしたのですが、上記で心配していた事を全て解消できるとてもありがたいお話しでした。
❶まずはじめに葬儀(埋葬方法)に関しては、上記で記載したように無宗派という事を前提で葬祭業者の方にお願いすれば全く問題なく無宗派で可能な葬儀と埋葬方法を行ってくれます。
❷続いては仏壇の代わりとなる物ですが、こちらも現在では【手元供養】という物があるそうです。手元供養とは、亡くなった故人だけを想い日々祈る場所を家庭に作るために、仏壇販売メーカーが新たに開発し作った物のようです。現在では徐々に世の中に普及しているようで、様々なデザインの手元供養に関する商品が販売されているそうです。近くの仏壇屋さんでも手元供養品を取り扱っている所は今ではかなり多くなっているそうです。それを聞いて私も安心しました。そもそも仏壇の代わりとなる物が今現在存在するのか?なんて名前なのか?すら分からなくて困っていましたので・・・
手元供養とは
無宗派で仏壇を家庭に置く事ができない。でも亡くなった故人を身近に感じたい!それを可能にした物が手元供養というものになります。手元供養は仏壇の様にドーーンとした大迫力の大きな物は無く、とても小さくコンパクトな物が多いです。亡くなった故人の写真や分骨した遺骨を入れる小さな骨壺を置くために作られています。これなら棚やローボードなどのちょっとしたスペースに置けるので、マンションやアパートに住んでいる人にはありがたいなと感じました。早速手元供養とはどんな形をしているのかをご紹介したいと思います。
手元供養品紹介(ショップ)

こちらは、いのりオーケストラが販売する手元供養【いのりのおうち】です。とってもオシャレですね。シンプルで洗練されています。これなら亡くなった故人もきっと喜んでくれると我ながら思いますね。おうちの中にあるオシャレなガラス製の物がミニ骨壺になります。使い方は自由で自分なりにアレンジして使えるのも手元供養の魅力のひとつですね。この他にも色々なデザインの手元供養を販売されているのでリンクからご覧ください。

こちらは、お仏壇のふたきやが販売する手元供養【ターブル】です。ウォールナット無垢材を使用した柔らかいナチュラルな雰囲気のする手元供養です。骨壺として、または指輪などの形見入れとして使える小箱と故人の写真を飾れる写真立てが付いています。全て同じ素材でできているので統一感があって良いですね。

手元供養品紹介(ショッピングモール)
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手元供養品(ミニ骨壺)
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まとめ
このように無宗派の方からお話しを聞いて初めて、無宗派でも安心できるような時代がきたのだと改めて実感しました。簡単にまとめると【葬儀の場合は依頼した葬祭業者に無宗派であるという事を伝えれば無宗派での葬儀・埋葬方法で行ってくれる。】【仏壇の代わりとなる物の名は《手元供養》である】この2つを覚えておけば、無宗派でもその後安心して暮らせます。最後までご覧くださいましてありがとうございました。
Contributor by GOGO